2018年4月22日(日) 鹿児島公演でのご挨拶より
2018年4月22日(日) 鹿児島公演でのご挨拶より
鹿児島のみなさま、こんにちは。
本日は、貴重な日曜日に、しかもこんなに空が晴れ渡って、大変清々しい絶好の日和に、私どもの「愛と平和の祈り公演」にお運びいただきまして本当にありがとうございます。
私は、稲森アートプロジェクトグループの代表を務めさせていただいております大和光剣と申します。
そして、この鹿児島での公演を、こうやって実現させてくださいました、実行委員会の皆さま方、そして鹿児島県宗教者懇和会の皆さま方、そして先程ゲストで素晴らしい演奏をしてくださいました鹿児島純心バンドの皆さま方、そしてご後援をいただきました、各界の皆さま方、御礼は言い尽くせませんが、本日は、本当にありがとうございました。
私ども稲森アートプロジェクトグループは、今から8年ほど前に、創設者の稲森紀子という一介の主婦、女性が難病におかされ、残された自分の人生をこれから来る子どもたちのために、素晴らしい地球を何とか残せないか、少しでもいいからお役に立てないか、という彼女の思いから、何人かの仲間でスタートした団体でございます。全員がアマチュアでボランティアで、そして最初スタートいたしましたときには、演劇も音楽も何も知らない素人ばかりのメンバーの集まりでございました。
それが、今では曲がりなりにもこうやって皆さまの前で公演をさせていただき、そして曲がりなりにも私たちの思いをお伝えできるようになりました。
そして今日は、こうやって初めてこの鹿児島の地を踏ませていただくこともできました。昨年まで、6年連続でニューヨークや海外にも行かせていただいております。その都度皆さまの温かいご支援や、そして共感の思いを頂戴して、それをエネルギーにしながら、一日一日あきらめることなく、頑張っております。
さて、この鹿児島公演が具体的に実現する運びへの最初となりましたのが、昨年(2017年)の7月16日、広島の太光寺さんを会場として、広島公演を私どもがさせていただいた折でございました。そのとき、鹿児島県宗教者懇和会のメンバーの皆様が、その公演をわざわざ広島まで観に来てくださり、それが、この日を迎える最初のスタートとなったわけでございます。
その公演終了後、宗教者懇和会のメンバーの皆様とお話させていただいたとき、こういうことをお尋ねになられました。「あなた方は普通のサラリーマンや主婦で、この活動の専門家でもなければ、こういったことを昔からやっていたわけでもないと聞いているけれども、なぜこういう活動をされるのですか? なぜここまでされるのですか?」と。
そのとき思わず口にしました。「この活動をやらせていただいていると、私たち自身が幸せだからです。」と。
私たちのメンバーは、特定の宗教や宗派、団体にはほとんどの者は属してはおりませんが、一方でほとんどのメンバーが神仏の存在を信じていて、尊崇の念を抱いているものが多いと思います。今日は、神道の皆様もお見えになっているわけですけれども、演劇に出てくるマリア様やイエス様やムハンマド様、お釈迦様だけではなくて、天照様や天之御中主神様を個人的に尊崇申し上げているメンバーもけっこうおります。
そしてあるとき、ある教えに「生きとし生けるものすべては、神仏から命をいただいているものは、『幸せになる権利』があるのではなくて、『幸せになる義務』があるのだ。」と示されているとお聞きしたことがあります。
幸せになる「義務」がある。
命をいただいたときに、すべてのものは「幸せにならねばならないのだよ」と神仏から言われて、ここに生命を授かったんだ、という教えだと。
すごいな、というふうに思いました。
但し、そのためには自分一人だけが幸せになるのはあり得ないんだよ、自分の愛するもの、周りの人たち、そして最後には仲間である人、そして生きとし生けるものすべてが幸せになってはじめて、最後に自分自身も幸せになれるのだ、という教えがある、ともお聞きをいたしました。私たちが今こういうことをやっていて、本当にそうだな、というふうに思います。
人びとを幸せにしてゆく、幸せになってもらいたい、というのは、自分のためにやっている、自分が幸せになるために「させていただいているんだ」というふうに思えます。
それを教えてくれたのも、創設者の稲森紀子でございました。
彼女は2013年8月、残念ながら帰天をしてしまいました。以降4年以上経ちましたが、私どもは彼女の遺志を継いで活動を続けさせていただいております。
また、すべての人を幸せにする、そして自分自身もそれによって幸せになる、そのことを教えているのも「信仰」の道だ、ということも同時に教えていただいたことがあります。
であるならば、すべての神仏の下に説かれた教えは、その一番大事な目的のために、それぞれの教えが少しずつ違っていても、その違いは逆に素晴らしいものであって、「私達の教えでは響かなかった人も、あの別の教えによって響いて、そのことに気づくことができたなら、ありがたいな」と、各宗教宗派がお互いに感謝をし合って、お互いに力を合わせて、そしてみんなが幸せになる道を、神仏の思いに沿って、歩んでゆくということが必ず、必ず実現できるというふうに考えております。
稲森もそういうふうに申しておりました。
私どもは、こういった演劇や音楽を通じて、それを皆様に少しでも私たちなりの思いで、お届けできればなと活動させていただいております。
これから、第二部、演劇「マリアの祈り〜ナガサキの奇蹟〜」をご覧いただきますが、少し不思議なお話ではございますけれども、この物語の中にも私どもの思い、そしてお届けしたいメッセージを込めさせていただいております。是非最後までお楽しみいただければ、大変幸せに存じます。そして、これからこれをご縁に皆さま方と同じ目的に向かって、一歩でも一緒に歩むことができれば、これに勝る幸せはございません。
本日は本当にお忙しい中、ありがとうございました。