演劇「マリアの祈り 〜ナガサキの奇蹟〜」


(※英語公演時の動画です。)


あらすじ

江戸時代。キリスト教禁制下の長崎で、幕府の厳しい弾圧にも屈せず、人々は信仰の火をともし続けた。 おゆきもそんな隠れキリシタンのひとりだった。神父ジュゼッペの導き。親友おもととの語らい。信頼しあえる仲間と共にマリア観音に祈りをささげるときだけは、日々の苦労も報われるのだった・・・。

時代は流れて現代。大学生のマリアと洋介は、夏休みに訪れた長崎で、車イスの女性、リエと出会う。リエは不思議な能力を持つ女性だった。

ふたりはリエから、こう告げられるのだった。「あなたがたは、聖母マリアとご縁がある」と。興味を持ったふたりは、浦上天主堂に向かうリエと行動を共にすることにした。

リエの目的とは?聖母マリアとの関係とは?

そして、8月8日の午後8時。奇蹟の瞬間が訪れた―――。


作品について

命がけの信仰

長崎は、キリスト教と深くかかわっている場所です。
それを強く印象づけるのは、キリスト教が弾圧された時代に、命がけで信仰を貫いた隠れキリシタンの存在でした。
たった一枚の絵を踏むこと。絵の中に神がいるわけではないのに、それを頑なに拒んだ信徒。
その信仰の強さは、限りなく純粋な神への祈り、そのものでした。
迫害を乗り越えて生き延びた信徒たちによって、信仰は受け継がれました。
だからこそ、その同じ信仰を持つ信徒たちの頭上に原爆が落とされたことは、「なぜ」と言う問いかけをせずにはいられないのです。


時代を越えて

この作品は、江戸、昭和、現代という三つの時代に亘り、同じ人物が時代を越えて登場する物語になっています。
輪廻転生は仏教思想であり、キリスト教にそんな思想はない、というご指摘があるかもしれませんが、私たちはキリスト教の教義を伝えたいわけではなく、もし、生まれ変わりということがあるならば、国と国とが対立し、互いに争い合うことほど愚かなことはないと考えました。
なぜなら、敵国だと思っていたその国に、かつて自分が生まれていたかもしれないからです。


地球家族として

家族の幸せを願わない人はいません。大切な家族を守りたい、という気持ちは、みな同じだと思います。
その「家族」の領域をほんの少し広げてみてください。
地球はひとつの「家」であり、そこに住む私たちはみな兄弟姉妹である、と考えるなら、国や民族や宗教が違っていても、私たちは、互いを尊重し合い、調和することができるはずです。
たくさんの人々の尊い犠牲によって、私たちは戦争の愚かさを学ぶことができました。
その魂の安らかなることを祈るとともに、平和な世界の実現を誓いたいと思います。










予告編