代表メッセージ

日本では、2011年3月に東北大震災が発生し、2016年4月には熊本大地震を経験し甚大な被害を受けました。しかしそのとき、世界中の人びとから多大な支援を受け、温かいメッセージや祈りの思いを日本へ送っていただきました。国が違っても、民族が違っても、国同士の諸問題などがあっても、そんなことにはこだわらず、被災して困っている人びとのために、世界中の人びとが愛の手を差し伸べてくれました。日本以外でも大地震など自然災害が頻発していますが、世界中でそのような行動は起こっています。国や人種、主義主張を超えて、人びとが助け合う姿を見て、多くの人々が感動しました。人はこういう危機のときに、本来あるべき姿に立ち戻れるのかもしれません。この姿を拡大してゆく先に、宗教などのあらゆる違いを超え、争いを止め、争うことの愚かさに気づけるのではないでしょうか。

しかしその一方で、世界中で神の名の下に、宗教の名の下に、また神の名を語ってお互いに殺し合うというような愚かな争いが続いています。

カトリックのフランシスコ教皇は、「すべての信仰の道は、ひとつの神に向かって通じるそれぞれの道である」と仰り、世界中で宗教の枠を超えた平和推進活動をされています。また、イスラム教のコーランにも同じ教えが説かれていると聞いております。

IAPG創設者である稲森紀子は、イエス様もムハンマド様も仏陀様も、すべての人々の幸せを願って道を説かれ始めたはずなのに、どうしてこういうことが起きるのかなと、常々申しておりました。

2013年8月、創設者の稲森紀子は帰天致しました。彼女が帰天する1週間前に仲間の手を借りてフランシスコ教皇にあてて、一通の手紙をしたためました。残念ながら彼女はその後すぐに帰天してしまい、その手紙を直接お渡しすることはできませんでしたが、二週間後、私たちはバチカンへ行き、その手紙を教皇様にお渡しすることができました。

その手紙の中には、「どうかマリア様になり代わって、教皇様から世界中の宗教指導者に一緒に手をつなごうと呼びかけていただけないでしょうか」と書かれておりました。

私たちは、稲森紀子の遺志を継ぎ、人々は本来の愛の存在であることに気づき、この愚かな争いはやめられるはずであると信じて、この活動を一歩一歩続けて参りたいと思います。

INAMORI Art Project Group 代表 大和光剣
「宗教の違い、教えの違い、それこそが神仏の愛」(2018年鹿児島公演 代表挨拶)
「「army(軍)」とは、人々を「救う」為に創られたもの」(2019年ニューヨーク公演 代表挨拶)

大和 光剣

INAMORI Art Project Group 代表