INAMORI Art Project Groupの描く未来のビジョン


私たち人間には、それぞれ「違い」があります。 男女の別、生まれた国、人種、肌の色、宗教、考え方、得意なこと、不得意なこと、それぞれなにひとつとして、それらすべてが完全に同じ、という人はいないでしょう。 しかしひとつだけ、すべての人間に共通のものがあります。 それは「愛」だと思います。 自分以外の誰かの幸せを願う心、自分以外の誰かの苦しみ・悲しみをまるで自分のことのように思い、そして喜びをまるで自分のことのように喜ぶ「分かち合い」の心です。 例え、誰かが過ちを犯したとしても、自分だって神様のように完璧ではないのだから、と赦すことのできる心です。 「愛」とは「分かち合い、生かし合い、赦し合う」心です。

アメリカという国がまだ今のような形ではない頃、アメリカはひとつではありませんでした。今でいう「州」がそれぞれ「国」であり、それぞれの法律と考え方で統治されていました。州による「違い」は存在意義でもありました。今でもそれは変わっていないのかもしれません。しかし、時が進み、アメリカはその「違い」よりも大きな共通項「自由」という建国の精神の下で「州」は「国」の一部となり、United States of America となりました。 日本という国も、今から150 年程前までは、「藩」という「国」に分かれていました。それぞれの「藩」にそれぞれの法律や文化があり、アメリカと同じでした。しかし、明治という時代から「藩」は「県」になり、ひとつの「日本」になりました。より大きな「和」という精神の下に。

しかしそれでも、アメリカでも日本でも「違い」はそれぞれの誇りとして立派に生きています。ひとつの国になったからといって、それぞれのエリアの個性や誇りを否定するようなことはありません。むしろ、それぞれの個性がそれぞれを彩り、生かし合い、花園の中の花のように互いを美しく高め合っています。 それが「Unification」です。 今、地球を見渡したとき、それぞれの「国家」がなぜボーダーラインをつくる必要があるのでしょうか?

宗教も同じです。 フランシスコ教皇は、「すべての信仰の道は、ひとつの神に向かって通じるそれぞれの道である」と言われ、イスラム教のコーランにも同じ教えが説かれていると聞いています。 で、あるならば、なぜ人々は神の名の下に殺し合うという選択をしてしまうのでしょうか? なぜそれが神のご意志である、と誤解してしまうのでしょうか? より大きな人間としての共通項、神から与えられた「愛」という共通項の下で、地球人は真にひとつになれるはずです。 今、人類はこれまでの歴史の過程で定められて来た「国家」や「宗教」の枠を壊し、ひとつの地球として、世界中が「ひとつの国」になり、同じ神に創られた「神の子」として「ひとつの信仰」にまとまることができるのではないでしょうか? それが「宇宙船地球号」の乗組員である、ということだと思います。 それが「Unification」です。

私たちはこの地球が愛の星として、それぞれの国が「地球国」の中のアメリカ州、日本州となれることを、そして「地球教」の中のキリスト伝、ムハンマド伝、ブッダ伝、孔子伝として統合されるような世界、それを未来のビジョンとして描きたいと思います。

INAMORI Art Project Group
代表 大和 光剣